#115 フランス旅行記
- 1月20日
- 読了時間: 4分
ボンジュール!
12月の上旬、中旬は日本に一時帰国し、同月の下旬も行ったフランス。
今回のマガジンは、2025年最後に訪れたフランスの旅行記をつらつらと書こうかと。

◾️フランスの朝の静けさ
フランスの朝。

ホテルの近くに、気に入っていてよく足を運ぶカフェがあります。
その日は、一番早くオープンするお店を調べ、
「8:30から営業」と書いてあったそのカフェを目指しました。
8:35頃に到着すると、シャッターは半分だけ開いていて、
「あれ、まだやっていないのかな?」と少し不安に。
中を見ると、足元だけが見える店主の姿があり、
私は少し笑いながら「Are you open today?」 と声をかけ
すると店主は、
「今ちょうど、コーヒーマシンを使える人が来たところだから、今から開けるよ」と、
なんとも自然な様子で返答。笑
なんてルーズなのだろう、と一瞬思いながらも、
その言葉には不思議と嫌な感じがなく、
その場にピリッとした空気が流れることもありませんでした。
(もちろん、多くのお店はきちんと時間通りにオープンします笑)
それでも、日本だったら私はきっと違う感情を抱いていたかもしれない、と同時に思いました。
予定通りであること、時間を守ること、効率よく動くこと。
いつの間にか、それらに心を支配されていなかっただろうかと、
立ち止まって考えさせられます。
この店主のひと言を聞いたとき、私は思わずニンマリしてしまい、
「今日はせかせかせずに、この店主のマインドで一日を過ごしてみよう」と。
センスとは、すべてを完璧に整えることではなく、
その場の流れや余白を受け入れる感覚なのかもしれません。
みなさんの朝は、急ぎすぎていませんか?
ほんの数分の遅れの向こう側に、
その日一日の質を変えてくれる何かが、そっと待っていることもあるのです。
◾️美しい人は“頑張っていない”

私が、フランスが好きな理由の一つ。
それは、飾らないことに、美学があるところ。
パリの街を歩いていると、目を引くのは決して派手な装いではありません。
シンプルなコートに、少しだけ皺の残るシャツ。
完璧に巻かれていないスカーフや、履き慣れた靴。
メイクも同じで、作り込んだ肌や強い輪郭ではなく、
「整えすぎていない」ことが、その人らしさとして残っています。
髪も、風に揺れたまま。
姿勢も、背筋を張りすぎることなく、
自分の体の重さを自然に預けて歩いているように見えます。
そこには、「こう見せたい」という意図よりも、
「こう在りたい」という感覚が先にあるように感じます。
完璧であることより、無理をしないこと。
若く見せることより、今の自分をそのまま引き受けること。
フランスの女性たちから感じる美しさは、
足し算ではなく、引き算の中にあります。
何かを盛ることで生まれる強さではなく、削ぎ落とした先に残る静かな自信。
センスとは、何を足すかではなく、何を足さなくていいかを知っていること。
だからこそ、飾らない姿が、こんなにも美しく映るのだと思います。
◾️旅行先で気づく"本来の自分"

パリにいると、日本にいるときとは、
感情の動き方が少し違うことに気づきます。
良い悪いではなく、呼吸の深さや、思考の速度、
自分に向けるまなざしが、どこか緩やかになるのです。
日本では、無意識のうちに周囲の空気を読み、
期待される役割や、求められている振る舞いを先に考えてしまうことがあります。
けれどパリでは、「どう見られるか」よりも、
「今、自分はどう感じているか」に意識が戻ってきます。
街のリズムや、人との距離感、流れる時間の質が変わることで、
自分自身の輪郭も、少しずつ浮かび上がってくるように感じました。
ここでは落ち着く。ここでは、無理をしなくていい。
反対に、ここでは少し緊張する。
旅先で感じるそうした違和感や心地よさは、場所そのものというより、
「その場所にいるときの自分」を教えてくれます。
合う場所、合わない場所。
それは、優劣ではなく、相性のようなものなのだと思います。
大切なのは、どこにいるかよりも、
場所によって変わる自分を否定せず、どう扱うか。
無理をして合わせ続けるのか、それとも、心が緩む場所を大切にするのか。
旅は、新しい景色を見るためだけでなく、
場所で変わる自分の感情を通して、本来の輪郭を確かめる時間なのかもしれません。
みなさんは、場所によって変わる自分を、どのように扱っていますか?
旅を通して感じたのは、フランスが特別なのではなく、
フランスという場所が、私のある部分を静かに引き出してくれたということ。
旅は、新しい場所を増やすためのものではなく、
自分にとって大切な感覚を、持ち帰るためのもの。

そしてその感覚を、日本に戻った日常の中で、少しずつ選択に反映させていく。
服を選ぶとき。
時間の使い方を決めるとき。
人との距離を考えるとき。
フランスで感じた、飾らず、急がず、無理をしない感覚を、
ほんの一部でも、自分の暮らしに残せたなら。
この旅は、遠くへ行った記憶ではなく、
自分に近づくための時間だったと言えるのかもしれません。
SEIKA
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