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#5 整った静けさの中で育む。

  • 2025年5月26日
  • 読了時間: 2分










先日、初めて訪れたデンマークの首都コペンハーゲンで出会った




“ヒュッゲ(hygge)”という言葉を思い出す。




ヒュッゲとは、直訳すれば





「心地よさ」や「ぬくもり」。





 けれどそれは、単なる居心地の良い空間やリラックスした時間を指すのではなく、





“自分の感覚に正直でいられる静けさ” のことだと思う。






たとえば、寒い冬の夜、ろうそくを灯し、お気に入りのニットをまといながら、






親しい人と何気ない会話を楽しむひととき。







 特別なことはなにもないのに、そこには深く満ち足りた幸福がある。







 何かを手に入れたときではなく、






何かから離れたときに、はじめて触れられる美意識。なのかなと。






ヒュッゲの空気に身を置いて気づいたのは、





センスというのは派手な表現力やトレンドの知識ではなく、






自分の感覚と世界との“距離感”を知る力なのだということ。






 どんな香りに心が安らぐのか。



 どんな光に落ち着きを感じるのか。



 どんな手触りにぬくもりを覚えるのか。



そういった「わたしにとっての心地よさ」に敏感になることが、



センスを育てる第一歩だと思う。





情報も人間関係も、あらゆるものが複雑に絡み合う現代で、




私たちはつい外側の正解や評価に気を取られてしまう。




けれど、センスはいつだって





「自分の中にある静かな声」に耳を澄ませることでしか磨かれていかない。





ヒュッゲは、その静かな声を聴く準備をさせてくれる。





 余白を整え、スピードを緩め、





「なんでもないけれど、なんだかいい」と思える感覚を大切にする。





 それは言い換えれば、“美意識を持って生きる”という姿勢かもしれない。





自分のために丁寧に淹れたお茶、





木の温もりが残るカトラリー、少し手間をかけた料理。





 それらは派手ではないけれど、感性を耕し、心の輪郭をやさしく整えてくれる。




センスとは、特別な人の特別な才能ではない。





 誰の中にもある“感じる力”を、どうやって手放さずに育てていくか。





 そのために、ヒュッゲのような時間を日々の中に取り入れてみる。





“わたしがわたしでいられる”瞬間の積み重ねが、






やがてあなたらしいセンスとなり、人生を美しく彩ってくれるはず。

 
 
 

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